真夏警察5

朝の公園通り、やっと日が射し始めた頃、3羽のでっかいカラスが公園脇のフェンスの上でたむろっていた。

さすがに朝のマラソンランナーもそのカラスを避けながら、走っている。

ところが後ろから、走って来た中学生くらいの痩せた少年が、フェンスの辺りで石に躓いて、フェンスに体当たりし、その場にひっくり返ってしまった。

するとどうだろう、3羽のカラスが一斉に飛びだち、
フェンス脇に倒れた少年が、ゆっくり起き上がる。

少年の右のポケットがずっしりと重たい。
取り出すと直径3cmくらいある金色の玉が七色に光っている。
手の平の玉を眺めていると、その玉が少年の手の平から、身体の中にあっという間に入り込んで行った。

それから、少年は大きく息をすうと、辺りを確認して疾風のように走り去って行った。